名古屋大学では、中央図書館と各学部の図書室がネットワークを介してつながっています。95,000冊余のe-Book(電子ブック)や30,000タイトルの電子ジャーナルをオンラインで読むことができるほか、名古屋大学で所蔵している図書・雑誌をいつでもインターネットで探し出すことができます。生命農学図書室は、無線LANなどのネットワーク環境を整備し、情報検索のためのガイダンスも開催しています。また、午後8時まで自由に使える100余の閲覧席と、専門書からやさしい読み物まで多数の学習用図書を揃え、学生達でいつも賑わっています。
農学部では2・3年次に、専門科目の学習と理解に必要な基礎的な実験や実習を行うカリキュラムが組まれています。その設備はさまざまな専門的研究までも十分体験できるものとなっています。一つの実験実習室では中央に4面の大型スクリーンを設置。学生はどの位置からでも教員の説明や実験の手順をつぶさに見ることができるので、実験をスムーズに進めることができます。
農学部サテライトラボとマルチメディア教室には、パソコンが設置され、情報メディア教育などの講義に利用されています。講義時間以外には情報メディア端末を自由に利用し、情報検索、レポートやプレゼンテーション資料の作成などに使うことができます。また入室は学生証と暗証番号によって管理され、万全の情報セキュリティ体制が整っています。
名古屋大学全学技術センター所属の技術職員のうち、主に生命農学研究科と生物機能開発利用研究センターの技術支援を行っている職員は、業務依頼書の提出に従い研究・教育における幅広い分野の技術支援を遂行しています。 その主な内容は、共通施設の管理・運営、各附属施設等の維持・管理、学生実習支援、ネットワークの管理、実験材料の育成・管理、各種機器分析、生物実験の支援等です。
東郷フィールドは、東山キャンパスから東へ15km、愛知県東郷町の丘陵地にあります。28haのフィールド内には畑、水田、果樹園や家畜が飼育されている草地が広がり、研究や実験実習に用いられます。21世紀には、環境と調和し、持続性のある新たな生物生産技術が求められています。このフィールドは、生物生産の現場を体験し、これからの生物生産技術のあり方を考え、実践する場として活用されています。
稲武・設楽フィールドは、「森を科学する」人々が集う大学の森です。愛知県西三河北東部(豊田市稲武町、野入町)の標高約1,000mの地域に林地が広がる稲武フィールド(約200ha)と、愛知県東三河北部(設楽町)に位置し、主に元放牧地の草地からなる設楽フィールド(約16ha)の二箇所からなっています。各施設には、講義室、実験室、宿泊室などがあり、森林や草地を舞台にした環境保全・資源の持続的利用に関わるさまざまな研究や、野外実習、セミナー、公開講座、研修などに利用されています。
平成19年4月、名古屋大学大学院生命農学研究科に附属鳥類バイオサイエンス研究センターが発足しました。当センターは、我が国におけるニワトリとウズラ遺伝資源の中核拠点として、世界的にも類を見ないニワトリの近交系や突然変異系統を含む数多くのニワトリ・ウズラの系統を保存し、多くの研究者や研究機関にこれらのリソースを提供することによって鳥類バイオサイエンス研究の発展と研究コミュニティーの拡大に大きく貢献しています。
生物機能開発利用研究センターは、高等動植物の生命現象に関わる高次生物機能解明の研究を発展させるとともに、その成果を有用生物に移植する研究を行うことによって生物系システムの利用に貢献することを目的とした最先端の研究を行っています。イネの分子育種に関する研究では、JST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業(生物資源分野):「北部山岳地域における改良品種開発プロジェクト」(平成22~27年度)に採択され、食料安定供給に向けた国際共同研究を展開しています。また、JSPS「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」(学際・複合領域系):「脳回路網の形成と機能発現の統合的研究の展開」(平成22~24年度)においても、海外の大学等研究機関との研究ネットワークを強化しています。なお、センターは6研究分野からなり、そのうちの5研究分野の教員が農学部・生命農学研究科の教育を分担しています。
農学国際教育研究センターは、農業や農村を発展させ、食糧や環境の問題を実際に解決できるような人材を育てるための「人づくり」を、国内外の大学やJICAなどの国際機関とともに推進しています。本センターは、この目的を達成するため、農学部や生命農学研究科と密接に連携して教育・研究活動を行っています。
21世紀において、開発途上国がかかえる問題はたくさんあります。農業を発展させ、環境を修復し、食料不足を解消することは途上国のみならず、我が国にとっても、地球全体にとっても重要です。本センターは、このような課題を開発途上国が自ら解決できるようにする人材を育成するために、日本の農学が持つ先進的技術や知恵を持った教員(研究者)が、アジアやアフリカを中心とした開発途上国に実際に出かけ、あるいは外国人研究者を招いてさまざまな研究を行っています。もちろん、本センターの教員は農学部や生命農学研究科の教育を分担し、また、広く国内外から大学院生を受け入れて研究指導を行っています。