選択方法:専門科目(1~24)の中から2科目を選択する。応用生命科学専攻で下記研究室を志望する者は、専門科目(3,4,5,7,18)の中から2科目を選択することが望ましい。
・生物有機化学
・生物活性分子
・食品機能化学
・高分子生物材料化学
<内容、参考書など>
各専門科目の扱う内容と参考になる書籍などを下記に挙げる。
【内容】生命農学において必要とされる応用数学の基礎的知識を問う。主たる範囲は、線形常微分方程式、マクローリン展開とテーラー展開、ラプラス変換、行列と行列式、フーリエ級数など。
【参考書】技術者のための高等数学(分冊)(培風館)、図解による微分方程式(培風館)など
【内容】木材を土木・建築分野で利用する際に必要となる材料力学の基礎学力を試す。応力とひずみの概念および材料中に生じる引張・圧縮応力、梁の曲げに関するSFDとBMD・断面形状・曲げ応力・たわみ曲線などに関する理解力を問う。棒のねじり、長柱の座屈、ひずみ計測手法の原理と応用などについても問う。
【参考書】材料力学(裳華房)、材料力学序論(培風館)、構造・材料の力学(培風館)、計測工学(共立出版)など
【内容】物理化学に関する基本的な知識を問う。具体的には、熱力学およびその各法則、相平衡、化学平衡、電気化学、反応速度、光分光法など。
【参考書】アトキンス生命科学のための物理化学(東京化学同人)など
【内容】有機化合物の性質、構造と構造解析、合成、反応と反応機構などに関する有機化学全般を扱う。生命系に関連の深い物質であるアミノ酸、糖、脂質などの構造や反応などに関する有機化学的な捉え方も内容に含む。
【参考書】ボルハルト・ショアー現代有機化学(第6版)(化学同人)、バイオサイエンス有機化学(化学同人)など
【内容】物質生化学および代謝生化学に関して、理論や実験手法を含む基本的な知識を問う。物質生化学については、糖、脂質、アミノ酸、補酵素、生体高分子(タンパク質、核酸、糖質)、さらに生体膜などの基本構造と機能・性質、それらの分離・精製法、構造解析法、および性質や機能を分析する方法などが含まれる。代謝生化学の領域では、糖、脂質、アミノ酸、補酵素、生体高分子などの生合成と分解、エネルギー代謝、これらの代謝の調節、そして酵素反応速度論、酵素の阻害と活性化、酵素タンパク質の化学修飾などが含まれる。
【参考書】レーニンジャーの新生化学(廣川書店)など
【内容】動植物に見られる様々な生命現象の遺伝的支配機構について、遺伝子、ゲノム、染色体、減数分裂の視点から基礎知識と理解力を問う。さらに、遺伝子変異と染色体変異、量的形質の遺伝、エピジェネティクスと遺伝子発現制御、集団遺伝学、遺伝子工学やゲノム科学の解析手法と動植物の育種への応用例など、幅広い遺伝学の知識と思考力を問う。
【参考書】エッセンシャル遺伝学・ゲノム科学(科学同人)、遺伝子の分子生物学(東京電機大学出版局)、細胞の分子生物学(ニュートンプレス)、キャンベル生物学(丸善)など
【内容】原核微生物(細菌・古細菌)および真核微生物に関する基礎知識を問う。具体的には、微生物の分類・形態、細胞の構造と機能、生理と生態、物質代謝、遺伝子の発現と複製など。
【参考書】 応用微生物学(朝倉書店)、Brock Biology of Microorganisms (Pearson Education, Inc.)/Brock微生物学(オーム社)など
【内容】真核生物を対象とした細胞生物学全般。その主な項目は、細胞の研究方法、細胞の基本構造、染色体構造、遺伝子発現調節機構、細胞周期と細胞分裂、膜輸送、細胞内区画と輸送、情報伝達、細胞骨格、細胞接着と細胞外マトリックス、生殖細胞形成・受精・分化、免疫系・神経系・がんにおける細胞機能など。
【参考書】Essential Cell Biology (5th ed., W. W. Norton)/エッセンシャル細胞生物学(第5版、南江堂)/細胞の分子生物学(第6版、中村桂子,松原謙一 監訳、ニュートンプレス)など
【内容】光合成、物質同化・輸送、成長・分化、環境応答・適応といった様々な植物の生理機能およびそのメカニズムに関する知識や考え方を問う。具体的には、光合成電子伝達・炭酸同化、窒素などの無機栄養素の同化、葉緑体の機能・形成、呼吸、植物ホルモンの構造と機能、分裂組織、器官形成・分化、光形態形成、屈性、発芽、花芽形成、植物成分、植物体での物質輸送、水分生理など。
【参考書】植物生理学概論(培風館)、テイツ/ザイガー植物生理学・発生学(原著第6版)(講談社)、など
【内容】動物の生理に関する基本的な知識を問う。主たる範囲は、神経系、感覚機能、運動機能、心臓、循環、血液、免疫、呼吸器系、内分泌系、腎臓、消化・吸収など。
【参考書】スタンダード生理学(文光堂)など
【内容】家畜や家禽の体を構成する基本的な構造を問う。体を構成する器官系について、肉眼解剖のレベルから電子顕微鏡のレベルまでの構造を扱い、動物の細胞学や組織学総論なども含む。
【参考書】図説動物形態学(朝倉書店)など
【内容】昆虫の生理学、生化学および病理学の基礎的知識を問う。具体的には、成長・発育、栄養・消化・吸収、循環、代謝、生殖・胚発生、内分泌、病原体・病態、昆虫機能・昆虫病原体の利用・応用など。
【参考書】昆虫生理生態学(朝倉書店)、応用昆虫学(朝倉書店)、分子昆虫学(共立出版社)、最新昆虫病理学(講談社)など
【内容】生物個体群・群集・生態系の基本構造と機能、生物間および生物と非生物的環境との間にみられるさまざまな相互作用、多様な生息環境への生物の適応進化の過程、などに関する基本的な理解度を問う。また、生態学を理解する上で不可欠な、遺伝、生理、行動などに関わる生物学の基礎知識もあわせて求める。
【参考書】生態学入門(第2版)(東京化学同人 2012)など
【内容】陸域生物圏を、地球システムを構成する主要な構成圏の1つとしてとらえ、植生と土壌、大気との相互作用の中で、特に水・エネルギー・物質(炭素、窒素、各種溶存元素、土砂など)の循環および関連する諸現象に関する基礎知識や基本的理解度を問う。また、自然条件下における陸域生物圏での水・エネルギー・物質循環のみでなく、人間活動がそれらの循環に及ぼす影響に関しても扱う。
【参考書】森林水文学(文永堂出版)、水文科学(共立出版)、森林生態学(朝倉書店、特に第4章に相当する部分)など
【内容】土壌を、生物圏を構成する主要環境のひとつ、主要な生物生産の場として捉え、その構成成分や性質、土壌中で起こる各種反応など土壌学の基礎知識を問う。具体的には、土壌の素材・生成、土壌の化学性、土壌有機物とその機能、土壌生物とその養分循環における役割、土壌構造・土壌中の水と空気、森林・草地・水田・畑土壌の特性などを出題対象とする。
【参考書】土壌サイエンス入門(文永堂)第2版など
【内容】森林資源の計測・評価およびそれに基づく森林の計画・管理および利用に関する基礎的な知識を問う。主たる範囲は、森林計測学・森林計画学・森林リモートセンシング・国際森林政策学・社会林業など。
【参考書】森林計画学入門(朝倉書店)、森林リモートセンシング―基礎から応用まで―(J-FIC)、熱帯アジアの人々と森林管理制度(人文書院)、熱帯林の紛争管理(原人舎)、『東南アジア地域研究入門 1環境』(慶応大学出版会)、森林・林業白書(全国林業改良普及協会)など
【内容】再生可能な生物由来の有機性資源で、最大の蓄積量を誇る木質バイオマスの物理的・化学的・生物学的な諸特性ならびに木質素材を細分化・再構成して作られる種々の木質材料に関する基礎的知識を問う。
【参考書】組織と材質(海青社)、木質の物理(文永堂)、木質の化学(文永堂)、新・木質構造建築読本 ― ティンバーエンジニアリングの実践と展開(井上書院)、紙とパルプの科学(京都大学学術出版会)など
【内容】植物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンやキチン・キトサンなどの天然高分子の構造、生合成、化学変換、性質、機能化ならびに関連する基礎的な高分子化学を扱う。
【参考書】基礎高分子科学(東京化学同人)、木質の形成(海青社)
【内容】植物生産科学を構成する作物学・園芸学の基本的知識を問う。作物学の内容として、比較的広大な圃場で栽培される食用作物、工芸作物、飼料作物の生産生理、生態、栽培技術など、園芸学の内容として、果樹園芸学、蔬菜園芸学、花卉園芸学、園芸利用学を主たる範囲とし、問題の選択ができる。
【参考書】作物学総論(朝倉書店)、作物学各論(朝倉書店)、栽培学(朝倉書店)、作物生産生理学の基礎(農文協)、作物学概論 第2版(朝倉書店)、植物栄養学 第2版(文永堂)、果樹園芸学(文永堂)、野菜園芸学 第2版(文永堂)、観賞園芸学(文永堂)、園芸利用学(文永堂)など
【内容】動物生産科学を構成する以下の基礎的知識を問う。動物生殖学の内容として、哺乳類の繁殖生理や人工繁殖技術など、動物栄養学の内容として、栄養素および非栄養素の機能、哺乳類・鳥類における栄養素の代謝特性や要求性などを主たる範囲とし、問題の選択ができる。
【参考書】繁殖生物学改訂版(日本繁殖生物学会[編]、エデュワードプレス[旧インターズー])、栄養機能化学 第3版(朝倉書店)、動物の栄養 第2版(文永堂出版)など
【内容】水産動物(特に魚類)の生物学に関する基礎的な知識を問う。主たる範囲は、中枢および末梢の神経系、感覚系、運動系、内分泌系、および行動や習性など。
【参考書】魚類のニューロサイエンス(恒星社厚生閣)、魚類生理学(恒星社厚生閣)、魚の科学事典(朝倉書店)、魚類生理学の基礎(恒星社厚生閣)など
【内容】植物保護学を構成する以下の基礎的知識を問う。植物病理学の内容として、病原体の分類同定、病原性と抵抗性、伝染、防除など、応用昆虫学の内容として、昆虫が持つ特性、虫害およびその防除などを主たる範囲とし、問題の選択ができる。
【参考書】植物病理学(文永堂出版)、新植物病理学概論(養賢堂)、応用昆虫学(朝倉書店)など
【内容】農産物の生産から消費までの過程および資源循環に関する社会経済学的な基礎理論とその応用について出題する。主たる出題範囲は、農業経営、農産物流通、農業政策、農業組織・団体、消費経済、農業と環境、農業史など。
【参考書】食料・農業・農村白書(農林水産省)、農業経済学(第5版)(岩波書店)、マンキュー入門経済学(東洋経済新報社)など
【内容】国際農学を世界、特に途上国の農業(農林畜水産業を含む)とその開発を扱う学問として位置づけ、世界の農業・食料・環境問題、農業・農村開発、国際農業協力などに関する基礎的知識を問う。具体的には、世界および途上国の農業生産ならびにそれを支える技術、農産物利用の現状と課題、農業・農村開発に係わる国際協力などについて選択問題として出題する。
【参考書】熱帯農学概論(培風館)、農業開発の経済学 第2版 世界のフードシステムと資源利用(青山社)の第1部・第3部〜第5部、世界食料農業白書2020年報告(国際農林業協働協会)など